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京都 ひとり飯(12) 四条烏丸 和食『晴ル(はる)』

私が以前が関東に住んでいて出張で京都に来ていた頃は、ひとりで夕飯をということになると、つい「おばんざい」などの看板につられて、居酒屋風のお店に入ったりしていましいた。「何とかのたいたん」というような京風のネーミングの料理が出てきたりしますが、たいして感動もない普通の煮物だったりします。

その後、辛口の京都紹介の本に、「おばんざいは普通に京都の家庭で食べられている質素なおかずのことで、そんなものをわざわざ外のお店で食べるなんて、気が知れない」なんて書いてあったりするのを読んで、目からウロコでした。そうだったのか。その後、京都に住んでわかったことは、本当の京都の伝統の味を継承しているお店は、わざわざ京風を前面に出したりしていないということです。別に観光客を相手にしているわけではないので、ということなんでしょうね(おばんざいを看板にだしても、地元の舌の肥えた人たちは見向きもしないでしょうから)。シンプルに地場の食材を、多少のオリジナリティを加えなからも伝統的な方法で調理したもの、これがまさに京都ならではの味というものです。もともと住んでいる方々には自明のことでも、よそ者には分からないことが京都には多いですね。

そんな京風を名乗る居酒屋系とは対極にあると言っていい店が、この「晴ル」です。すでにいろんな方々が、ブログなどで紹介(と絶賛)されているので、今更ではありますが、やっぱりいいお店は外せません。7年前の自分に紹介したいようなお店です(もちろん、その当時にあればですが)。

京都の有名店で修行をされたらしい(=グルメサイト情報)、若い料理人の方々(お二人)が、カウンター内で腕をふるうのを見ることができます。この季節なら、鱧の骨切りや賀茂茄子の桂むきなど、京都ならではの食材を調理する技に見とれてしまいます。どんな料理も、事前にしっかりと下ごしらえがされていることもよくわかります。また、味も京都らしいだしの味を基本としながらも、それぞれの食材に合わせて工夫されていて、この高いクオリティのものを手軽に味わえる幸せを感じます。

カウンター11席だけの、こじんまりとしたお店です。午後7時台から9時台ぐらいであれば、予約は必須です。経験的には、それより遅い時間ならば、予約なしでも入れる可能性大です。ただし、その時間には、すでに売り切れになっている料理があったりします。

カウンターの目の前で調理されるので、キッチンスタジアムを見ているようなライブ感は半端ないのでとっても楽しいのですが、たまに揚げ物や焼き物の匂いが服につくことがあります。出張で来られた方は、ぜひホテルに戻って普段着に着替えてから来店されることをお勧めします。

普段使いにはちょっと高めですが(普通に食べて4000円〜7000円+酒代ぐらいのイメージ)、有名店などに行かずとも、京都の有名店仕込みの味がカジュアルに楽しめることを考えたら、出張や観光で来られたひとり飲みの皆さんにはおすすめです。4名以上の利用には向かないお店です。ひとりごはんには、老若男女をとわずおすすめです。